安楽椅子で冒険を：江東スタリオンステイション：ア行

ディック・フランシスの＜競馬シリーズ＞に登場した名馬の数々がけい養（笑）してあります。

【登場馬リスト】
表紙	ア行	カ行	サ行	タ行	ナ行	ハ行	マ行	ヤ行	ラ行	ワ行

馬名		登場作品	性別	馬齢	毛色	平／障
ア	アーカヴ・アルハワ	『密輸』	牝馬	4歳	？毛	平地
	主人公フレディ・クロフトが経営する競走馬運搬会社の主要な顧客の一人、マイクル・ウォータミードが管理するダービィ有力馬。額に細い流星がある。 3歳の秋から力を発揮し始め、シーズン最後のデューハースト・ステイクで、トップクラスの3歳馬を相手に6馬身差の圧勝をすることで、その実力を実証することになった。馬名のアーカヴ・アルハワはアラブ語で「空気に乗る」の意。
	アークエインジェル	『骨折』	牡馬	4歳	？毛	平地
	主人公ニール・グリフォンの父ネヴィルが経営する厩舎ロウリイ・ロッジで調教されているダービィ有力馬。ギャングの息子、アレサンドロ・リヴェラの「この馬に乗ってダービィに出場したい」という願望をかなえるため、父親のエンソは、ロウリイ・ロッジにアレサンドロを雇うようニールを脅迫する。
	アイアンクラッド	『査問』	？	？歳	芦毛	障害
	主人公ケイリ・ヒューズの不正騎乗疑惑が晴れ、騎手免許が戻った後に出場したチェルトナム・ゴールド・カップで本命になった馬。終始完璧なレース運びを見せていたが、最後の障害で落馬してしまったため、ヒューズの乗るブレッドウィナーにも、優勝のチャンスが巡って来ることになる。
	アイシクル	『侵入』	牡馬	8歳	芦毛	障害
	主人公クリスマス（キット）・フィールディングが専属で騎乗するカシリア王女の持ち馬の一頭。素晴らしい馬体を持っている上に大変素直で、慎重で堅実な走りをする馬。フィールディングが騎乗したデヴォン＆エクセターでのレースでは、見せ場こそなかったが2着に粘る。馬名のアイシクルは「つらら」の意。
	アイスフォール	『侵入』	牡馬	6歳	？毛	障害
	主人公クリスマス（キット）・フィールディングが専属で騎乗するカシリア王女の持ち馬の一頭。同じく王女の持ち馬で全兄弟のアイシクル同様勇気がありレースに意欲的な馬。フィールディングが騎乗したアスコットでの2マイルのハードルレースでトップハンディを背負ったが、馬の実力を正確に把握しているフィールディングは、アイスフォールが実力を発揮出来るペイスで走らせ8馬身差の圧勝をする。
	アイヴォリボール	『追込』	？	？歳	？毛	平地
	主人公チャールズ・トッドが友人夫婦のジックとセアラと共に観戦に行ったメルボルン・カップ前日のヴィクトリア・ダービィで、ジックとセアラが買うかどうかを議論した馬。
	アスフォデル	『重賞』	牝馬	？歳	栗毛	障害
	主人公のスティーヴン・スコットが、自分の持ち馬であるエジャナイズを、自分に対し不正を働いた調教師のジュディ・リーズの元から引き上げようとしたが、怒ったジュディがエジャナイズの代わりに置いていった馬。
	アドミラル	『本命』	？	？歳	栗毛	障害
	主人公アラン・ヨークの親友であり、ジョッキィとしてライヴァルでもあるビル・デイビッドソンが騎乗していた障害馬。コースに張られていた針金によりレース中に転倒。デイビッドソンはアドミラルの下敷きになって命を落としてしまたため、その後ヨークに譲られる。ジョージ・ペンの悪事に迫ったヨークは競馬場から一味に拉致されそうになり、とっさにこの馬で逃げ難を逃れる。
	アパー・ガムトリイ	『横断』	？	？歳	？毛	平地
	＜壮大なる大陸横断ミステリ競馬列車＞にオーストラリアから参加した馬主ハーヴィ・アンウィンの持ち馬で列車で輸送されていた。企画の一つであるウィニペッグのアシニボイア・ダウンズでのジョッキィクラブ競馬列車ステイクスに出走し勝利を得る。
	アブセイル	『連闘』	牡馬	8歳	芦毛	障害
	主人公クリスマス（キット）・フィールディングが専属で騎乗するカシリア王女の持ち馬の一頭。軽快な跳びをし、スピードもあるがスタミナに不安があるそうだ。芦毛でたてがみと尾が黒い。サンダウンでの2マイル5ハロンの固定障害では、最後の上り坂でやはりスタミナが切れそうになるが、フィールディングがなんとか最後の根性を引き出し勝利を得る。しかし、フィールディングを陥れることに執念を燃やすメイナードアデラックにより無痛畜殺機で殺されてしまう。 ──アブセイルは、歓声が自分に対するものであるのを知っていて、文字通り、観衆にお辞儀をしていた。私がまた首を叩いて感謝の意を表した。彼が葦毛の首を振り上げると、顔をこちらに向けて両目で私を見、鼻孔から息を吹き出しながら頷いた。「馬はあなたに話しかけるのね」「何頭かは」 ──最後の広場にアブセイルがいて、私たちはドアの半分を開けた。アブセイルが陽光の方に出てきて、何事か、という感じで首を突き出した。私は葦毛の鼻と上唇をこすり、顔を寄せて彼の鼻孔にソーッと息を吹き込んだ。彼は私の頬に二度ほど鼻をすりつけると頭を上げた。挨拶が終わったのだ。ウィケムはろくに見ていなかった。そのような馬の場合、ウィケム自身も同じやり方で馬に話しかける。中には絶対そのような話し合いができない馬がいて、下手をするとこちらの鼻を食いちぎられかねない。（『連闘』より）
	アリックス（センティグレイド）	『血統』	牡馬	12歳	栗毛	種牡馬
	クリサリス以前に種牡馬強奪組織に盗まれ、センティグレイドという偽名を与えられてアメリカで種付けをさせられていた馬。クリサリスと同様、主人公の上司シム・キーブルが出資していた。ちなみに種付け料は（上梓年＝物語内の年として）67年：$1,500、68年：$2,500。
イ	インディアン・シルク	『名門』	？	7歳	？毛	障害
	銀行に勤める主人公ティモシイ（ティム）・エカタリンが、馬の生産事業の知識を得るために知り合った、サラブレット仲介業者のアーシュラ・ヤングと商売上の付き合いがあるフレッド・バーネットが調教していた馬。障害馬として成功していたが病気になり、競争生活が危うくなったところをディスデイル・スミスが買い叩き、その後コールダー・ディクスンに預けられると見事に回復し、その後順調に勝ち続けたために、不正を働かれたと感じた息子のリッキイがディクスンを刺そうとしてしまう。
	インディゴ	『骨折』	せん馬	10歳	？毛	乗用
	主人公ニール・グリフォンの父ネヴィルが経営する厩舎ロウリイ・ロッジで、明け3歳馬の先導や、見習い騎手に基礎を教えるのに良く使われる馬。アレサンドロ・リヴェラが馬運動中に落馬したのを、ニールの責任と捉えた父親のエンソが、見せしめとして脚を折ってしまう。
ウ	ウォーターボーン	『標的』	？	？歳	？毛	障害
	主人公のジョン・ケンドルが伝記を書くことになった調教師トレメイン・ヴィッカーズが調教している馬の1頭。左前脚の球節に熱があるため獣医に診てもらった。
	ヴォウティング・ライト	『横断』	牡馬／牝馬	？歳	鹿毛	平地
	＜壮大なる大陸横断ミステリ競馬列車＞にオーストラリアから参加した馬主マーサー・ロリモアの持ち馬で列車で輸送されていた。目的地のヴァンクーヴァのエクシビション・パークで開催されるジョッキイ・クラブ競馬列車ステイクスで有望視されていたが、道中ジュリアス・フィルマーに、マーサーの息子ジュリアスの奇行をネタに馬を譲るよう脅迫されてしまう。しかしフィルマーの野望は砕かれヴォウティング・ライトはレースに勝利する。
エ	エゴセントリック	『罰金』	？	？歳	？毛	障害
	主人公ジェイムズ・タイローンが、雑誌タリイの依頼で、ランプライター・ゴールド・カップの記事を書く際に取材した馬の一頭。馬と馬主のハリイ・ハンターソンには記事の材料になるような点は無かったが、タイローンは姪のゲイルに心惹かれることになる。
	エナジャイズ	『重傷』	牡馬	？歳	黒鹿毛	障害
	主人公スティーヴン・スコットの持ち馬で、調教師のジュディ・リーズに預けていたが、ジュディがスティーヴンから多額の金を搾取していたのが発覚したため、スティーヴンはジュディの厩舎から引き上げることにしたのだが、その復讐にジュディはエナジャイズを他の馬とすり替えてしまう。青毛に近い黒鹿毛で、左耳に小さな傷跡があり、肩に2ペニイ銅貨くらいの大きさのハゲがある。アラブ的な鼻をしているそうだ。 ──勝ったのは大きなレースではなかったが、その勝ち方が将来のスターたるべき素質を充分に発揮したものであった。上り勾配をゴールに向かって突っ走っている濃褐色のリズムのかたまりのようなその姿を見て、私は、久びさに畏敬、歓喜、さらには愛情ともいえる気持ちが胸中に沸き上がった。エナジャイズは、美しく、勇気があり、勝つ意欲に満ち満ちている馬で、その彼が勝った。（『重賞』より）
	エメラルド	『度胸』	牝馬	？歳	？毛	障害
	アスコット競馬場で行われたミッドウィンター・カップに出場し、最後まで主人公ロバート・フィンの乗るテンプレイトと争ったアイルランドの障害馬。今世紀最高の牝の障害馬カースティンの再来と呼ばれている。
オ	オーディナンド	『奪回』	牡馬	5歳	？毛	平地
	誘拐されたドミニック・ノランドの父親、マイクが所有するダービィ馬。犯人グループはオーディナンドを売ることで500万ポンドの身の代金を払うよう要求してきたが、事業での失敗で財政的に危機に陥っていたノランドは、馬を引退させ種牡馬として売り出すことで負債を払うつもりでいたため、身の代金の支払いを渋る。
	オーヴン・クリーナー	『再起』	牡馬	歳	葦毛	障害
	イギリスの国民的ヒーローで、老若男女問わず愛され“ザ・クリーナー”の愛称を奉られるほどのアイドルホース。シッド・ハレーが、依頼人のジョニイ・エンストーン卿と会うために訪れたチェルトナム・ゴールド・カップを勝利し生きた伝説となったが、脱鞍場に戻った途端、心筋梗塞で死んでしまう。
	オキシダイズ	『反射』	牡馬	3歳	？毛	平地
	主人公ウィリアム・デリイ（注：『配当』は2部構成で、ウィリアムは第2部の主人公）が、サラブレット仲介を臨時で請け負ったリューク・ヒューストンのために買おうとしていたダービィ有力馬。しかしウィリアムは、デリイ兄弟を逆恨みしているアンジェロギルバートに銃で撃たれてしまうため、実際の買い付けはヒューストン自らが行うことになる。
	オキナワ	『飛越』	牡馬	3歳	？毛	平地
	主人公ヘンリイ・グレイが勤めるヤードマン社の馬匹輸送機で、アメリカからイギリスに輸送したダービイ出走予定の有力馬。しかし輸送中に突然平静を失い暴れたため、やむなくグレイが命を絶つことになる。
	オリヴァ・ノゥルズ所有の種牡馬	『名門』	牡馬	-	-	種牡馬
	生産牧場を経営するオリヴァ・ノゥルズが所有している種牡馬。　・ロタボーイ（19歳）　・ダイアリスト（16歳）　・パラキート（12歳）ロタボーイは種牡馬としては大変優秀だが、老齢で種牡馬としては先が無く、ダイアリストはロタボーイほどには成功していない。パラキートは世界的に人気のあるスプリンタータイプが産まれてこないため、牧場経営を続けるために新たに優秀な種牡馬を必要としたノゥルズはサンドキャスルの購入を決意、主人公ティモシイ（ティム）・エカタリンが勤めるポール・エカタリン社に融資を依頼した。

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Last Modified 2007/1/21