ロス市警の女性刑事レネイ・バラードは、かつて配属された強盗殺人課の上司ロバート・オリバス警部補から受けたセクハラ行為を告発したが、当時のパートナーがオリバス側に付いたため孤立し、たとえ勤務中に事件に遭遇したとしても、初動捜査しか任されず昼勤の刑事に捜査を委ねないといけないことから警察内の隠語で“レイトショー”と呼ばれるハリウッド分署の深夜勤務担当に飛ばされてしまう。
そんなバラードが、サンタモニカ大通りにある駐車場で、酷い暴行を受け瀕死の状態で発見されたトランスジェンダー男性の捜査のため被害者が搬送されたERに向かうと、別のエリアのナイトクラブで発生した4人が死亡する銃乱射事件の被害者が同じ病院に搬送されるため、出来る限る情報を得るよう当直司令官から指示を受ける。
被害者のウェイトレスの到着を待ったものの意識を取り戻すこと無く死亡したため、バラードは証拠品を集めて現場であるナイトクラブに向かうと、現場の指揮を執っているのはオリバスだった…。
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＜ハリー・ボッシュ シリーズ＞と世界線を同じくする（ボッシュをモデルにしたドラマ『BOSCH／ボッシュ』への言及がある）コナリーの新たな主人公の登場です。
証拠の取り扱いや取り調べでの質問の進め方など、アメリカにおいて法的に瑕疵無く捜査を進めるにあたって踏まなければならない数々の手順や決まり事を丹念に描くことでリアリティと時代性を感じさせつつ、主人公レネイが一歩一歩真相に迫っていく刑事小説としての重厚感や、孤独な主人公の内面を描くハードボイルドとしての味わいはさすが手練れのコナリーなので読み応えはバッチリなのですが、本作では明かされていない曰くありげな出自や、警察内で置かれた境遇からやむを得ないと理解は出来つつ、自分に対して些細なものであれなにかしら非難の矛先が向けられると、それがたとえ正当なものであれ誰彼構わず当たり散らかす、やたら攻撃的なレネイの性向が災いして個人的にはあまり肩入れ出来なかった分、点数的にはちょっと低めになってしまいました。
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