クリス・シハーリスは、兄貴分と慕うニール・マコーリーが率いる強盗団の一員としてロサンジェルスのファーイースト・ナショナル銀行に武装強盗に押し入るが、ニール達の動きを追っていち早く駆けつけたLAPDの警官隊に包囲され激しい銃撃戦となってしまう。
仲間2人はその場で射殺され、ニールは銃撃戦こそ生き延びたものの、心を許した女性と共に逃げようと待ち合わせたロサンジェルス空港で、ニール逮捕に執念を燃やすヴィンセント・ハナ刑事に追い詰められ射殺されてしまう。
唯一生き残ったシハーリスは、仲間の情報屋ネイトの手引きでパラグアイへと逃れ、多種多様な人種の犯罪者が跋扈するシウダーデルエステで一大勢力を誇る台湾系犯罪一家のリュウ一族の元に身を寄せる…。
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ガンマニアクラスタみんな大好き映画『ヒート』の後日談と前日譚を、監督であるマイケル・マン自身が共著者と共に著した正当続編です。
登場人物の内心描写におけるクセのある地の文がちょっと読みづらいと感じましたが、ニールが80年代に手がけたヤマと、LAの銃撃戦を生き延び南米で再起を計るクリスのその後が交互に描かれ、その一見無関係な時間軸の2つのエピソードが、ニールが奪った金の横取りを目論むオーティス・ウォーデルという極悪非道なソシオパスの犯罪者がハブとなって時間を跨ぎ、クリス、ウォーデルを追うハナ、ニールの義娘を巻きこんで、それぞれの人生がクライマックスに向けて収束・加速していく構成が秀逸で、かつウォーデルの凶悪さが醸し出すサスペンス感もスパイスとなった上質なクライムノベルとしても仕上がっている、『ヒート』好きなら読んで損無しな一作です。
クリスとハナの決着は着いておらず、ラストで続きがあることを匂わせてもいるので続編が書かれることが期待されます。
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