地球に迫ったスウォーム艦隊を、＜コンスティテューション＞と引き換えに辛くも撃退したティム・グレンジャー大佐は、一躍スウォーム戦のエキスパートとして重用されるようになったが、麾下の艦に対して無慈悲に決死の特攻を強いるグレンジャーの対スウォーム戦術は損耗も大きいことから“レンガ職人”の悪名が奉られるようになっていた。
その上、スウォーム艦を道連れに＜コンスティテューション＞と共に特異点へと消えたと思われたにも関わらずグレンジャーが生還したという不可解な状況から、スウォームと結託していたことが露見したロシアの支配を受けているスパイだと疑う向きも少なくなかった。
そんなグレンジャーがエール星域に現れたスウォーム艦隊を撃退し、スウォームの本拠星系を探り出そうと艦隊司令部の立案した極秘作戦により、あえてスウォーム航宙母艦1隻を逃がそうと腐心する最中、ドルマン星人と名乗る新たな異星人艦隊が現れ、攻撃をやめて即座に立ち去るよう警告してくる…。
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＜伝説の艦隊シリーズ＞第2作です。
スウォームとの戦争も新たな段階に突入し、スウォームの同盟勢力までもが現れ地球ますますピンチ！ という絶望的な状況の中、スウォームの侵略の目的やグレンジャーが特異点に突入した際何かあったのか？ と言った、1巻で散りばめられた謎を明かしつつ次の展開へ繋ぐ流れで、ドルマン星人にしてやられた感はあるものの新たな同盟者を得て、スウォームが支配する未知の5種族とロシアを向こうに回してグレンジャーがどう戦うのか？ は見届けて行きたいと思わせるエピソードに仕上がっています。
一方で、旗艦以外の艦が登場せず、配下の艦長らと信頼関係を築いたり軋轢を乗り越えたりと、指揮官としての手腕や器を発揮する描写はスポイルされてしまっているため、艦隊ものとしての醍醐味・熱さ的には薄味なのが物足りないです。
正直、裏切り者の副大統領を軸にした、大統領を相手にした謀略パートはかなりショボいので、ここにページを割くくらいだったら、船乗りの矜持を描くことに注力して欲しかったところです。
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