『クリスマス・カロル』などで有名な、ディケンズの代表作の一つです。
主人公コパフィールドが、波乱万丈の人生の中で苦労しながらも努力し続け作家として成功して行く、という著者の自伝的要素もある大河小説です。
「努力すれば成功し、悪い事をすれば必ずその報いは来る」というキリスト教的倫理観に基づく勧善懲悪の世界や、悪人は徹底的にいやらしく、高潔な人物はとことん高潔、といったステレオタイプの人物造形は、もはやいささか古さを感じてしまいますが、これはあくまでも現代人の後知恵で言えること（ダメな人はとことん合わないだろうなぁ）。次々とコパフィールドの身にふりかかる事件や、様々な人々との出合いに引き込まれて、全4巻と言う長丁場も結構飽きずに読めます。
海外小説を読んでいると、何かと引き合いに出されることがあるので、好き嫌いはあるかもしれませんが、欧米文学をより深く楽しむためのバックボーンとして、押さえておいて損は無いと思います。
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