アメリカ陸軍レンジャー部隊を除隊したバン・ショウは故郷のシアトルに戻り職探しをしていた。そんな折、亡き祖父ドノの仕事仲間で地下カジノを経営しているウィル・ウィラードから、彼の姪でありバンの幼馴染みでもあるエレナ・コールが、恋人のケンドリック・ヘイムズとオリンピック国立公園にあるヘイムズ家の山小屋に行くという連絡を寄こしたきり、店に出る予定の今日になっても姿を現していないので探して欲しいと頼まれる。
ドノが亡くなった際ウィラードに世話になったこともあり、早速ショウはオリンピック半島に向かいヘイムズの山小屋に辿り着くと、小屋の前で熊が男性の遺体を貪っているところに出くわす。
武器を持っていなかったバンは、緊急時用の発煙筒で即席の音響爆弾を作って熊を追い払うと、エラナの無事な姿を求めて山小屋の中に足を踏み入れるが、そこには惨たらしく顔面を撃ち抜かれた女性の遺体があり、遺体の側にあったショルダーバッグの中にエラナの運転免許証を見つける…。
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父親代わりに育てられた祖父に泥棒としてのスキルを叩き込まれた米レンジャー部隊員──ただし本作で除隊してしまったので元レンジャー部隊員──が、巻き込まれた犯罪に立ち向かうシリーズの第2段です。
巻き込まれ型としてはスタンダードなプロットながら、バンが事件に首を突っ込む動機が、幼馴染みのエラナのためにしては関係性が弱いですし、恋人のルースが指摘するように「危険に立ち向かうことで生きている実感を味わえるため」ということだとしても、バンが無自覚 or 認めたくないという立場を取っているため、行動原理が不明瞭なまま話が進んでしまうので、そこを含めたバンの再生物語だとしても読んでる方はモヤッとしてしまいます。
前作では「休暇期間中に真相を明らかにする」というタイムリミットと、非合法な手段に訴え、それが明るみに出てキャリアがおじゃんになるという立場がもたらす緊迫感が良いスパイスになっていたのですが、除隊してプータローになってしまったことでその点がスポイルされてしまったのも残念。
幼馴染みとの過去がフラッシュバックする構成も、エラナとの絆というか縁の弱さもあって、祖父のドノとの確執を描いた前作ほどには効果的に機能してるとは言えず、構成面でも作品の深みの点でもイマイチと、文体の味わいは前作同様魅力的なだけにもったいない印象でした。
さて、「アップル警察」（笑）としては指摘せざるを得ない、“ドッキングステーションつきのマッキントッシュのラップトップ”（下線強調管理人）なんて、いったいいつの時代のPowerBook Duoなんでしょう？(＾ω＾ ;)
いや、これが“ドッキングステーション付きのマック”だったら、現行MacBook＋サードパーティのドッキングステイションと解釈できるものを…考証って大事ですよね。
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