フリーランスの暗殺者として辣腕を振るっていたヴィクターだったが、海中に沈んだハイテク兵器を巡る米ロ諜報機関同士の争奪戦に巻き込まれた結果、瀕死の重傷を負った上に米NCS（国家秘密局）所属のローランド・プロクターに身柄を押さえられ、身の安全と引き換えに彼の配下で仕事をこなさなければならない身となってしまった。
プロクターの指示のもと、ルーマニアでウラジミール・カサコフという武器商人を暗殺者の脅威から救った後、ハンブルクの闇組織から爆薬を入手したヴィクターはベルリンへと向かい、その爆薬を使ってハンガリー・ギャングのアドルヤン・ファルカスを爆殺するが、自分の流儀で仕事を遂行出来ないことに苛立ちを覚えていた。
そして次のターゲットとしてガビール・ヤムートというレバノン人兵器ディーラーを指定されたヴィクターは、ヤムートがベラルーシ人ギャングのダニール・ペトレンコと取り引きを行うミンスクに向かい、与えられた少ない時間の中で暗殺実行のためホテルの下調べを行うが、ホテルは何者かによって監視されていた…。
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腕利き暗殺者のヴィクターが活躍するシリーズ第2弾です。
今回もハリウッド映画ばりのアクションに継ぐアクションの連続でストーリィを引っ張りますが、今回は戦闘シーンのディティール描写が少々くどく感じてしましました。その一方で作戦の全体像やヴィクター以外の登場人物の掘り下げがなおざりというか断片的で、筋書きへの肉付けがあまり上手くいっているとは言えず、読み物としてのバランスが悪いのが難点。
メインストーリィ面では、今回の作戦をNCSと国防総省の人間が秘密裏に共謀して推進するようになった経緯よく分からないし（そもそも作戦の有効性や費用対効果自体ずいぶん怪しいし）、うっかり敵に回してしまったモサドとの対決も解決してない有様でなんとも消化不良。人物描写面でも、ヴィクターの出自が2作目においても明かされないままなので、その卓抜した戦闘技術や柄にも無い趣味の良さ、汚い言葉を嫌う潔癖な面を持つといった彼の特質が何に由来しているのかが描かれないため表層的にしか見えないし、とことん非情なヴィクターが前作の『パーフェクト・ハンター』に登場し殺されてしまったレベッカに心を許したことを契機に、シリーズを通してヴィクターが人間性を取り戻していく姿が描かれるのかと思いきや、そっち方面はほぼ放置プレイなのも不満でした。
一応第3作でヴィクターの過去が多少なりとも明らかにされそうなので、とりあえず次の作品までは付き合ってみますが、第3作のデキ次第では切りかなぁ？
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